上手にブロック化を使いこなす方法
Jw_cadの〔編集(2)〕ツールバーにある〔BL化〕タブは、メインフレーム内に描かれている線・円・文字等をひとまとめにして保護することができるコマンドで、ブロック化すれば複数のレイヤにまたがって描かれたものも一つのレイヤに集約することが出来るので、データ容量の削減につながり動作を軽くする効果も期待できますし、何より通常の作業では編集できないので、誤編集を防ぐことが出来ます。
メインメニューから始めるときは〔編集(E)〕⇒〔ブロック化(B)〕の順に左クリックしますが、そのままではアクティブでないので、扱うことが出来ませんのでアクティブ化の方法などをご覧ください。
図形をブロック化する方法
Jw_cadのメインフレーム内に描かれている線・円・文字等の情報をブロック化して誤編集出来ないように保護するのですが、今の段階では〔BL化〕タブはアクティブ化されていませんので、最初に編集(1)の〔範囲〕コマンドを実行してブロック化したい線・円・文字等を範囲選択してブロック化をアクティブ化させてからの手順をご覧ください。
範囲選択に関しましてはこちらをご参照ください。
〔ブロック化〕する手順はこのようになります。
- 範囲選択の始点を左クリックします。
- 範囲選択の終点を右クリックします。
- レイヤダイアログでブロック化を保存するレイヤを指定します。
- 編集(2)ツールバーの〔BL化〕タブを左クリックします。
- ブロック設定ダイアログで任意のブロック名を記入し、最後に「OK」を左クリックします。
これで範囲選択された線・円・文字等が一つにブロック化されます。
冒頭でもご紹介しましたようにブロック化することで、通常の作業では内容を変更することが出来なくなるので、誤編集を防止することが出来ます。
また、複数のレイヤに描かれていたものが一つのレイヤに集約されるので、データを圧縮することが出来るのでJw_cadの処理速度が向上します。
とはいっても、よほど大きなデータでない限り、最近のハイスペックPCなら問題にならないレベルですので、さほど神経質になる必要もないと思います。
ブロック化された状態で唯一行えるのが右クリックによる一括消去だけですが、これもよほどのことがない限り、使うことは無いでしょう。
ブロック化解除方法
ブロック化されたデータを編集するには、ブロック化を解除する必要があるので、解除手順をご覧ください。
ブロック化の解除手順はこのようになります。
- 範囲選択の始点を左クリックします。
- 範囲選択の終点を右クリックします。
- 編集(2)ツールバーの〔BL解〕タブを左クリックします。
これでブロック化は解除され、編集出来るようになります。
但しブロック化前と同じように各パーツごとにレイヤ分けされた状態にはならず、あくまでブロック化状態を保存していたレイヤでのみ扱える状態です。
ブロック化に関するヘルプ引用
この以降の項目を使うことはほとんど無いと思いますので、Jw_cadのヘルプを引用させていただきますので、気にある項目をご覧ください。
◆ブロック属性
選択したブロックデータの属性を変更する。
▼基本操作【1】[範囲選択]コマンドを選択する。
【2】範囲選択の始点と終点を指示し、ブロック図形を選択する。
【3】[ブロック属性]コマンドを実行する。
【4】ブロック属性ダイアログが表示されるので、[元データのレイヤを優先する]のチェックを変更する。
- [元データのレイヤを優先する]のチェックを外すと、ブロック全体がブロック化したときの書込みレイヤになる。
- [元データのレイヤを優先する]にチェックを入れると、ブロックのレイヤは無視され、ブロック内の各データごとに元データのレイヤになる。
!データが選択されていない場合は、[ブロック属性]コマンドは選択できない。
◆ブロック編集
選択したブロックデータを編集する。▼基本操作
【1】[範囲選択]コマンドを選択する。
【2】範囲選択の始点と終点を指示し、ブロック図形を選択する。
【3】[ブロック編集]コマンドを実行する。
【4】編集結果の反映範囲を指定する。
【5】ブロック図形を編集する。
選択したブロック図形が分解されて編集可能になる。!データが選択されていない場合は、[ブロック属性]コマンドは選択できない。
◆ブロック編集終了
ブロック図形の編集を終了する。
- 画面右上の[×]を左クリックしてもブロック図形編集の終了になる。
!ブロック編集中のみ選択できる。
≪まとめ≫
Jw_cadでブロック化する最大の目的は、描いた図面の保護だと私は考えています。
図面を扱うのが一人だけなら、間違いや誤った編集を行うリスクはさほど無いかもしれませんが、会社内で図面を共有し、複数の人が関わる場合は、そのリスクは格段に高まると考えておくべきです。
そんな時に、大切な図面をブロック化しておけば、間違いを修正するのも簡単ですし、さらに言えばバックアップをしっかりとっておけば、完ぺきでしょう。
バックアップを取るには、外付けSSDやHDDが必要になったり、でなければUSBメモリなどに保存しておく必要があります。
しかし、作業中の図面でそこまでするまでもない状態の図面の場合、重要な部分をブロック化しておくだけで、次の作業への移行がスムーズになるので、図面を描く時間の短縮につながると考えて間違いないでしょう。
また、図面データを取引先と共有するときにも、むやみに編集できないよう保護しておくことで、お互いに間違った修正を行ってしまうリスクを避けることが出来ます。
このように、何かと使い勝手の良いブロック化と解除手順を覚えておくことは、時間的なデメリットよりメリットの方が大きいと考えられますので、積極的にご活用ください。