Jw_cad 包絡処理の使い方

Jw_cad 編集(2)ツールバー

包絡処理の基本的な使い方

Jw_cadの〔編集(2)〕ツールバーにある〔包絡処理〕コマンドの基本的な使い方をご紹介いたします。
基本的に包絡処理で扱えるのは、直線だけですが、直線と言ってもいろんな条件で描かれるので、上手に使えば、図面を描く時間を大幅に削減することが期待できます。

メインメニューから始めるときは〔編集(E)〕⇒〔包絡処理(H)〕の順に左クリックしてください。
これで、〔編集(2)〕ツールバーから始めるときと同じ状態になります。

包絡処理の基本操作

Jw_cadの〔編集(2)〕ツールバーにある〔包絡処理〕は、選択範囲内にある交わった線の不要部分を消去するのが、最も基本的な使い方になりますので、その手順をご覧ください。

Jw_cadの包絡処理の基本的な使い方

包絡処理の基本的な手順はこんな感じです。

  1. 編集(2)ツールバーの〔包絡〕タブを左クリックします。
  2. コントロールバーの線種選択ラジオボタンで対象線を選択します。
  3. 包絡処理を行う始点を左クリックで指示します。
  4. 包絡処理を行う終点を左クリックで指示します。

これで包絡処理が必要な部分の処理が完了します。
画像では、範囲選択している状態でしたが、終点を左クリックした時点で交差している線の包絡処理によって不用な部分が消去されて成型された図形に変化しますので、その状態をご覧ください。

包絡処理後の画像

包絡処理は、交差する線や延長すると交差する線を範囲指定することで交点から先の不用部分を処理して成型してくれる便利なコマンドです。

ここでは、4本の線が縦横に交わっていましたが、逆に線が途中で途切れた状態でも同じように包絡処理を行えば、先のものと同じ結果が得られます。

直線が短い場合の包絡処理について

実用的な使用例

包絡処理は、建築図面の中でも頻繁に用いることになるので、これからご紹介させていただきます実用例をご覧いただいて、実際に図面を描く中でご活用ください。

柱と壁の包絡処理

建築図面の中でも頻繁に描くのが柱と壁が存在する部分です。
柱と壁の関係は、ご存知のように柱が太く壁のは狭い間隔になっていますので、その誤差の修正が必要になるのですが、これを消去コマンド等を使って一つずつ行うと膨大な手間が掛かってしまいますので、ここはサクッと包絡処理で済ませてみましょう。

柱と壁を描いた部分の包絡処理について

このように四方向からくる壁線と中央にある柱が重なった部分の不用線が包絡処理されて、外郭線だけが残されます。
角柱も同じように選択すると次のようになります。

角柱と壁の包絡処理について

角柱でも壁厚の方が狭いことが多いので、この方法はかなり効果的な使い方です。

コーナー包絡処理

壁工法の建物の場合、柱無しで壁が構成されている場合が多く、この書き方も多用されます。

コーナーを包絡処理した状態

こちらも四方向から交わることも想定されますので、先にご紹介した柱と壁の処理と同じようにすれば、十字路のような図形も簡単に描くことが出来ます。
それを実践したのがこちらになります。

十文字に交差したものを包絡処理した画像です。

選択範囲を変えることで、中央の矩形のみを残すことも簡単に出来ますので、ご覧ください。

中億の矩形のみを残す包括処理方法

ここで少し注意点をご紹介しておきますので、ご一読ください。


包絡処理の基本的なクリックは左で行うのが一般的です。
右クリックで終点を指示すると、選択範囲内の線が全て消去されてしまいますのでご注意ください。

基準線まで伸ばす包絡処理

包絡処理を使って長さの違う複数の線を基準となる線まで伸ばすことが出来ます。

基準線を利用した包絡処理の使い方

画像の基準線は水平線なので、垂直に描いてある長さの違う直線を基準線まで一括で伸ばします。
この時これまでと違う選択方法をしなくてはなりませんのでご注意ください。

基準線まで伸ばす包絡処理の使い方で画像と同じようにするには、選択するときに全体を囲むように選択してはいけません。
画像にもあるように、基準線も伸ばす対象線も一部分を選択範囲外にしています。
このようにすることで、基準線はそのままの状態で残すことが出来るようになり、対象線は全て基準線まで延長することが出来ます。
仮に、基準線を全て範囲選択したり、対象線のどれかを完全に範囲選択内に入れると各々次のようになるので注意してください。

◆基準線全選択

基準線を全選択した状態の包括処理について

基準線全体を囲むと垂直線と交わる部分で処理されるので、はみ出た部分は消去されます。

垂直線の一部全選択

垂直線の一部を全選択した状態での包絡処理について

垂直の対象線で垂直線全体を選択すると画像のように処理されずに残ります。


上下に基準線がある時に上下の基準線を選択範囲に加えると、上下の基準線まで垂直線が延長され、上下の基準線全体を選択範囲に含めると、矩形で囲まれた図形に変化します。
全てを選択した時の包絡処理の結果

基準線を残す包絡処理の方法

文字を際立たせる包絡処理方法

ハッチング処理されたところに文字を書込みたいときに文字の存在を際立たせる手法として包絡処理を活用する使い方をご紹介いたしますので、ご覧ください。

文字を強調する包絡処理の使い方

ご覧のようにハッチングで斜めの線がたくさんあるところに文字を書込んでも同系色の色合いでは、文字の存在が見落とされる可能性がございますので、出来れば、文字だけを際立たせたいと思うこともあると思いますので、ご紹介させていただいた使い方を参考にしていただければ、少しは文字を強調することが出来ると思います。


画像のように切り抜くようにするときは、終点を指示するときに右クリックで選択してください。
こうすることで選択範囲内の直線が全て消去されます。

図面を印刷するときは、青焼きやモノクロで印刷されるのが一般的ですので、色を変えてもほとんど強調されることはありませんが、この方法ならある程度際立たせる効果が期待できます。

包絡処理の注意点

包絡処理を行おうとしたとき、思いがけないエラーになってしまうことがあるかもしれませんが、そんな時には次の事柄をご確認ください。

  1. 包絡処理出来るのは直線のみで、曲線等は処理出来ません。
    一部でも円、円弧を含む曲線が混在するものは対象外となるのでご注意ください。
  2. 包絡処理が出来るのは、同じ線色の直線だけです。
  3. 包絡処理が出来るのは、同じ線種の直線だけです。
  4. 包絡処理が出来るのは、同じレイヤーだけです。
    注)同一線種、線色でもレイヤーが違うと処理されません。
  5. 包絡処理対象線種の確認をしてください。
    コントロールバーの線種選択ラジオボタンです。

≪まとめ≫
Jw_cadの包絡処理は、図面を描く中で不用となった部分を一括処理出来る便利なコマンドなので、複雑に入り組んだ図面でも必要な部分だけを残しつつ、効率よく図面を描くことが出来るので、上手に使いこなせば図面を描く時間を大幅に短縮することが出来るので、是非使いこなせるように活用できる場面では積極的にご活用いただいて、このページが無くても問題なく使いこなせるようになっていただけたらと願っています。

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